休み方がわからない——「何もしない」が苦手なあなたへ

「休みの日、何をしていいか分からないんです」

「ようやく取れた休みなのに、気づいたらスマホで仕事のメールを見ていて。ソファでぼーっとしていると、なんだか罪悪感がわいてくるんです」——そんなお話を、よく伺います。

休むことに罪悪感を覚えるのは、なまけ者だからではありません。逆です。ずっとがんばることで自分を保ってきた人ほど、休み方がわからなくなるんです。「何かしている自分」に価値を置いてきたので、何もしない時間が、価値のない時間に感じられてしまう。

「休んだのに疲れている」のはなぜ?

休み方の話でまず整理したいのは、休息にも種類があるということです。

  • 体の休息: 睡眠、ごろごろする、湯船につかる
  • 頭の休息: 考えごとを止める。情報から離れる
  • 心の休息: 安心できる人と過ごす、好きなことに浸る、自然に触れる

「休日にたっぷり寝たのに疲れが取れない」という方は、体は休めていても、頭と心が休めていないことが多いんです。ベッドの中でスマホを見ていたら、体は横になっていても頭はフル回転ですから。逆に、アクティブに出かけた日のほうがスッキリした、という経験はありませんか。あれは体は使ったけれど、頭と心がちゃんと休めた日です。

自分に足りていないのはどの休息か——そう考えるだけで、休み方は選びやすくなります。ちなみに「今週はどれも足りてない」という方、けっこう多いです。まずは一種類からで大丈夫です。

罪悪感には、名前をつけてあげる

何もしない時間に罪悪感がわいてきたら、責める代わりに、心の中でこう言ってみてください。「あ、いつもの『がんばりセンサー』が鳴ってるな」と。

そのセンサーは、これまであなたを支えてきた立派な機能です。学生時代の勉強も、仕事も、このセンサーがあったから乗り越えてこられた。ただ、休みの日にまで鳴る必要はありません。センサーに気づいて、名前をつけて、「今日はお休みでいいんだよ」と伝えてあげる。それだけで、罪悪感との距離が少し取れます。

罪悪感の奥に「休んだら周りにどう思われるか」という不安がいる場合もあります。心当たりのある方は、人の気持ちばかり気になって、疲れてしまうあなたへも合わせて読んでみてください。

休むことも、予定に入れていい

「何もしない」がどうしても苦手なら、逆転の発想で、休みを予定にしてしまうのがおすすめです。

  • 「土曜の午前は、カフェで本を読む」と手帳に書いてしまう
  • 「15時から30分だけ昼寝」とアラームをかける
  • 散歩・湯船・お茶をいれる、のような「小さな儀式」を決めておく
  • 月に一度、「予定を入れない日」を先に予約してブロックする

がんばり屋さんは、予定はちゃんと守れる人です。だったら休みも予定にすれば、ちゃんと休めます。少し不器用なやり方に見えますが、これで休めるようになった方を、私は何人も見てきました。

コツは、休みの予定を「生産的にしない」ことです。「休みながら資格の勉強」「リフレッシュを兼ねてジムで自分を追い込む」——それはがんばりの延長戦です。もちろん楽しいならいいのですが、「休んだ気がしない」が続くなら、成果の出ない時間をあえて予定に入れてみてください。

スマホと休息の、むずかしい関係

現代の休み方の話で、スマホは避けて通れません。SNSも動画も、一見「休憩」に見えますが、頭と心にとっては情報のシャワーです。特に、人の近況が流れてくるSNSは、比べる気持ちや焦りに火をつけて、心の休息を静かに削っていきます。

全部やめる必要はありません。ただ、「休むためにスマホを見る」が本当に休めているか、一度だけ点検してみてください。30分SNSを見たあとの自分は、回復していますか。それとも、少し疲れていますか。答えが後者なら、休憩メニューの入れ替えどきです。

それでも休めないときは、心の声を聞きにきて

ここまでやっても、どうしても心がざわざわして休めない。そんなときは、罪悪感の奥に、もう少し根の深い何かがいるのかもしれません。「休んだら置いていかれる気がする」「がんばっていない自分には価値がない気がする」——セッションでカードをめくっていると、そんな声が形になって出てくることがあります。

声の正体が見えると、休むことへの許可が、自分で出せるようになっていきます。占いを心の点検に使う感覚は、占いは、心のマッサージにも書いています。

なお、「休めない」が「眠れない」「食べられない」「何をしても楽しくない」まで進んでいるなら、それは休み方の問題ではなく、心が疲れ切っているサインです。専門の相談窓口や医療機関を、どうか早めに頼ってください。

よくある質問

Q. 休日に寝てばかりで、一日を無駄にした気分になります。

A. 体が眠りを求めているなら、それは無駄ではなく必要な回復です。責めるより「それだけ疲れていたんだな」と受け取ってあげてください。ただ、寝ても寝ても回復感がない状態が何週間も続くなら、疲労が深いか、心の不調のサインかもしれません。その場合は医療機関への相談も考えてみてください。

Q. 忙しくて、そもそも休む時間がありません。

A. まとまった休みが取れないときは、「マイクロ休憩」から始めてみてください。お茶を丁寧にいれる5分、昼休みに外の空気を吸う3分、寝る前に画面を見ない10分。小さな休憩は、無いよりずっと効きます。そして、何週間も休みゼロが続いているなら、それは工夫の問題ではなく働き方の問題です。環境そのものを見直すサインだと受け取ってください。

Q. 休むと決めた日に限って、仕事のことを考えてしまいます。

A. 自然なことです。「考えるな」は効かないので、「考えたことをメモして、明日の自分に渡す」方式をおすすめします。頭に浮かんだ仕事のことをスマホや紙に書いたら、「はい、これは月曜の私の担当」と締める。頭は、書き留めたことを手放しやすくできています。


休むことは、さぼることではありません。次にまた歩くための、大事な準備です。今週、ほんの30分でいいので、あなたが心から休まる時間を予定に入れてあげてくださいね。