がんばっているのに評価されない、と感じたら

「ちゃんとやっているのに、評価されないんです」

このご相談を受けるとき、お話を聞きながらいつも感じることがあります。評価されないと悩む方ほど、実は、まじめにがんばっている方が多いということです。手を抜いている人は、そもそも評価に悩みません。

だからまず、これだけはお伝えさせてください。評価されていないことと、がんばりが足りないことは、別の話です。

評価は「がんばりの量」では決まらない

少し残酷に聞こえるかもしれませんが、大事なことなので正直にお話しします。職場の評価は、がんばりの量にきれいに比例しません。評価に影響するのは、たとえばこんな要素です。

  • 成果が、目に見える形になっているか
  • その成果が、評価する人にきちんと伝わっているか
  • 会社やチームが今ほしいものと、タイミングが合っているか
  • 評価者との接点の量(見てもらえる機会がそもそもあるか)

つまり、同じがんばりでも「見える場所」でがんばったかどうかで、評価は大きく変わってしまうんです。縁の下の仕事、トラブルを未然に防ぐ仕事、みんなが嫌がる調整の仕事——大事なのに見えにくい仕事を引き受けている人ほど、この理不尽を引き受けることになります。

たとえば、締め切り前に必ず資料の誤りを直しておいてくれる人がいたとします。おかげでトラブルはゼロ。でも「トラブルが起きなかったこと」は、誰の目にも映りません。評価されるのは、派手なトラブルを(自分で招いたのに)解決した人だったりする。理不尽ですが、よくある構図です。

もし今あなたが「評価されない」と感じているなら、それはがんばりが足りないのではなく、がんばりが見えない場所に置かれているだけかもしれません。

「評価されたい」の奥にいる相手は、誰でしょう

もうひとつ、セッションでよく一緒に考えることがあります。「評価されたい」と思うとき、本当は誰に認めてほしいのか、ということです。

上司でしょうか。会社でしょうか。それとも——親や、昔の自分など、職場の外にいる誰かでしょうか。

カードをめくりながらお話ししていると、「会社の評価そのものより、『ここにいていい』という安心がほしかった」「がんばりを見ていてほしい相手は、実は上司ではなかった」と気づかれる方が少なくありません。認めてほしい本当の相手が見えると、会社の評価に心を明け渡しすぎていた自分にも気づけます。

会社の評価は、あなたという人の値段ではありません。あくまで「その会社の、その時期の、その物差し」で測った一面にすぎないんです。物差しが変われば、同じあなたの評価は変わります。実際、転職して環境が変わった途端に評価が一変した、という話は本当によくあります。

明日からできる、小さなこと

とはいえ、評価は待遇にも関わる現実的な問題です。心の整理と並行して、できることも少しだけ。

  • 自分のやったことを、月に一度書き出しておく: 完了した仕事、防いだトラブル、助けた人。自分用の記録が、評価面談でも転職でも、いざという時あなたを守ります
  • 見えにくい仕事は、さりげなく見える化する: 「先回りして◯◯を直しておきました」と一言添える。報告は自慢ではなく、情報共有です
  • 評価の基準そのものを、上司に聞いてみる: 「次の半年、何ができたら評価につながりますか」。勇気がいりますが、物差しが分かれば無駄な消耗はぐっと減ります
  • 社外の物差しにも触れておく: 勉強会や社外のつながりで、自分のスキルが外でどう見えるかを知っておくと、社内評価だけが世界のすべてではなくなります

「評価疲れ」のサインにも気をつけて

評価を求めてがんばり続けると、いつの間にか「評価されるためのがんばり」だけになって、心がすり減っていくことがあります。好きだった仕事が楽しくない、褒められても素直に喜べない、常に「足りない」感じがする——そんな状態が続いているなら、評価の問題というより、疲れの問題かもしれません。

そういうときは、評価から一度離れて休むことが先です。休むのが苦手な方は少なくないので、休み方については別の記事でも書きますね。深刻に消耗しているなら、産業医や専門の相談窓口も頼ってください。

がんばりを、いちばん近くで見てきた人

あなたのがんばりを、誰よりも近くで見てきた人がいます。あなた自身です。

誰にも気づかれなかった日も、うまくいかなくて悔しかった日も、あなただけは全部知っています。だからせめて自分にだけは、「よくやってるよ」と言ってあげてください。

よくある質問

Q. 評価面談で自分のがんばりをアピールするのが苦手です。

A. 「アピール」と思うと苦しくなるので、「記録の共有」と捉え直してみてください。月イチの書き出しメモがあれば、面談では事実を淡々と並べるだけで十分です。「がんばりました」ではなく「◯◯をして、△△になりました」。事実は、謙虚なままでも伝えられます。

Q. 同期や後輩が先に昇進して、素直に祝えない自分が嫌です。

A. モヤモヤするのは、あなたが真剣に働いている証拠です。祝えない自分を責める必要はありません。ただ、そのモヤモヤは「自分も認められたい」という健全な欲求のサインでもあります。人と比べて落ち込む癖については、別の記事でも詳しくお話しする予定です。

Q. 評価制度自体が不公平な気がします。転職すべきでしょうか?

A. 評価制度への不満が転職理由の上位に入るのは事実です。ただ、「制度が不公平」と「自分が評価されない」は分けて考える価値があります。基準を確認し、見える化を試し、それでも動かないなら、あなたの物差しに合う会社を探すのは前向きな選択です。迷ったら転職に迷ったとき、タロットができることも読んでみてください。


それでもむなしさが抜けない日は、カードと一緒に、その気持ちの正体を探しにきてください。評価という物差しから少し離れて、自分の心の声を聞く時間も、たまには必要ですから。