転職に迷ったとき、タロットができること
「転職したほうがいいでしょうか」
キャリアの相談で、いちばん多い質問のひとつです。そして正直にお伝えすると、この質問に「はい」か「いいえ」で答えられる人は、世界中のどこにもいません。占い師にも、キャリアコンサルタントにも、です。
でも、それは「相談しても無駄」という意味ではありません。転職の迷いが苦しいのは、答えが出ないからではなく、自分が本当は何に引っかかっているのかが見えないからです。
迷いが堂々巡りになる仕組み
「辞めたい」と思ったとき、頭の中ではこんな声が同時に鳴っています。
- 今の仕事がつらい。でも、次に行っても同じかもしれない
- 収入や安定を手放すのが怖い
- 「逃げ」だと思われたくない
- そもそも自分が何をしたいのか分からない
これ、ぜんぶ種類の違う悩みなんです。労働環境の問題、お金の問題、他人の目の問題、自己理解の問題。種類の違う悩みを一度に考えると、思考はかならず堂々巡りになります。大学で学生さんの相談を受けていた頃も、社会人の方のお話を聞く今も、ここは変わりません。
タロットは「決めてくれる」道具ではありません
タロットを引くと、未来が分かって、進路を決めてもらえる——そう思われがちですが、私の考えは少し違います。
カードをめくった瞬間、人は正直になります。たとえば「塔」のような激しいカードが出たとき、「やっぱり……」と妙に納得する方と、「え、そんなはずない」と反発する方がいます。その反応こそが、あなたの本音です。 カードが当てたのではなく、カードをきっかけに、あなたが自分の気持ちに気づいたんです。
転職の迷いでタロットが役に立つのは、まさにここです。絡まった悩みの中から「あなたがいちばん引っかかっているのは、実はお金じゃなくて『誰にも認められていない感覚』のほうですね」というように、迷いの正体に光を当てること。正体が見えれば、取るべき行動は案外シンプルになります。
迷っている時間は、無駄ではない
最後にひとつだけ。「早く決めなきゃ」と焦っている方へ。
迷っている時間は、停滞ではありません。あなたの中で、大事にしたいものの順番が入れ替わっている最中の時間です。植え替えの前に根がほどけていくような、必要な時間です。
ひとりで堂々巡りがつらくなったら、カードと一緒に、迷いの正体を探しにきてください。答えを渡すことはできませんが、答えがあなたの中から出てくるところまで、一緒にいることはできます。