キャリアの悩み、誰に相談すればいい?——相談先の選び方
「こういう話、誰に相談したらいいのか分からなくて」
セッションの冒頭で、こう切り出す方がとても多いです。仕事の悩みは、意外と相談先に困るんですよね。家族に話せば心配をかけるし、友人に話せば愚痴になりそうだし、上司はまさに悩みの当事者だったりする。結果、誰にも話せないまま、ひとりで抱え込んでしまう。
今日は、キャリアの相談先にはどんな選択肢があって、それぞれ何が得意なのかを整理してみます。
相談先には、それぞれ得意分野があります
家族・パートナー 生活を共にする人の視点で、現実的な心配をしてくれます。収入や生活設計が絡む決断では、いずれ必ず話すことになる相手でもあります。ただ、あなたの人生と利害が重なっているぶん、「安定していてほしい」という願いがアドバイスに混ざりやすい相手でもあります。反対されたとき、それが「あなたのための心配」なのか「変化への不安」なのかは、分けて聞く必要があります。
友人・同僚 気持ちを分かってもらう相手としては最強です。同じ立場を経験した友人のひとことは、どんな正論より効くことがあります。ただ、共感が中心になるので、悩みの整理や新しい視点は出てきにくいことも。同僚の場合は、社内の事情に詳しいぶん、話せる範囲が限られますね。
上司・先輩 社内でのキャリアの積み方については、いちばん具体的な話ができます。評価の基準、次のポジション、社内の動き。この情報は社外の誰も持っていません。一方で、評価する側でもあるので、「辞めたいかも」レベルの本音は出しにくい相手です。相談の内容によって、出すカードを選ぶ相手だと思ってください。
キャリアの専門家(キャリアコンサルタントなど) 悩みの整理と選択肢の洗い出しのプロです。利害関係がない第三者なので、本音を全部出せます。国の機関や自治体の無料相談窓口もありますし、有料の個人サービスもあります。転職エージェントは求人紹介が本業なので、「転職ありき」になりやすい点だけ知っておくといいと思います。エージェントに「転職しないほうがいい」と言ってもらうことは、構造上あまり期待できません。
カウンセリング 悩みがキャリアの枠を超えて、眠れない・涙が出るなど心身に影響しているなら、カウンセラーや医療機関が適切な相談先です。キャリアの悩みと心の不調は、よく重なって現れます。「こんなことで受診していいのかな」と思うくらいのタイミングで行くのが、ちょうどいいくらいです。
占い 意外に思われるかもしれませんが、占いも昔から「相談先」のひとつです。得意なのは、理屈では整理しきれない気持ちの領域。「どちらが正しいかは分かっているのに、心がついてこない」というときに力を発揮します。
大事なのは「何を求めているか」から選ぶこと
こうして並べてみると、相談先選びのコツが見えてきます。「誰が正しい答えをくれるか」ではなく、「自分はいま何がほしいのか」から選ぶことです。
- ただ聞いてほしい → 友人
- 現実的な段取りや情報がほしい → 上司や専門家
- 求人を見たい → エージェント
- 心身がしんどい → カウンセリングや医療機関
- 気持ちの正体を知りたい、心を整理したい → 占いやカウンセリング
どれかひとつに絞る必要もありません。私のところに来てくださる方も、「エージェントには転職の相談をしていて、ここでは気持ちの整理をしたい」というふうに、使い分けている方が多いです。相談先は、悩みのフェーズによって乗り換えていいし、併用していいんです。
相談する前の、小さな準備
どの相談先を選ぶにしても、ひとつだけ準備しておくと相談の質が変わるものがあります。それは、「今日は何を持ち帰りたいか」をひとことにしておくことです。
「共感してほしい」「情報がほしい」「決断の背中を押してほしい」「とにかく吐き出したい」。どれでも構いません。これが曖昧なまま話すと、共感がほしかったのに正論をもらって傷つく、という事故が起きがちです。相手のためでもあり、自分を守るためでもある準備です。
占いの相談は、こんな時間です
私のセッションの話を少しだけすると、タロットで「正解」を言い渡すことはしません。カードをきっかけに、あなたが自分の気持ちに気づいていく時間です。「転職すべきか」を聞きに来た方が、「本当は今の職場で認められたかった」という気持ちに気づいて帰っていく——そんなことがよく起きます。
答えを外からもらう場ではなく、あなたの中の答えを見つけにいく場。それが、占いという相談先の使いどころだと思っています。このあたりの考え方は、タロットは「当てる」ものじゃないんですに詳しく書いています。はじめての方は、はじめての占い、何を聞けばいいの?もどうぞ。
よくある質問
Q. 相談したいことが、自分でもうまくまとまっていません。
A. まとまっていなくて大丈夫です。むしろ「まとまらないから相談する」が正しい順番です。専門家も占い師も、散らかった話を整理するのが仕事のうちです。「モヤモヤしているんですが、何がモヤモヤなのか分からなくて」——その一文から始めて構いません。
Q. 家族に転職を反対されています。誰に相談すべきでしょうか?
A. まず、家族の反対の中身を「心配」と「情報」に分けてみてください。収入面の心配なら、数字で答えられるように専門家やエージェントに相談する。漠然とした不安なら、あなた自身の決意の固さが伝わることで変わることが多いです。そしてあなた自身の気持ちが揺れているなら、それを先に整理するのがおすすめです。気持ちが定まっていない状態で説得はできませんから。
Q. 占いに行くのは、悩みが深刻になってからのほうがいいですか?
A. 逆です。深刻になる前の「なんとなくモヤモヤする」段階のほうが、占いは力を発揮します。こじれる前の絡まりは、ほどくのも早いんです。心が重くなりすぎているときは、占いよりも医療機関やカウンセリングを先にどうぞ。それも大事な使い分けです。
相談先の正解は人それぞれですが、ひとつだけ確かなことがあります。ひとりで抱え込み続けるのが、いちばん心を消耗させるということです。
誰かに話すと、それだけで悩みは少し形を変えます。あなたに合う相談先が、この記事で少しでも見つけやすくなりますように。そして、気持ちの整理が必要なときは、カードと一緒にお待ちしていますね。